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■図1
低温貯蔵したジャガイモ(メークイン)の糖含量
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ジャガイモの貯蔵は、萌芽や脱水による減耗を抑えるため、温度2〜4℃くらい、湿度80〜90%以上で貯蔵するのが望ましいと言われています。この条件を満たすのが「雪室貯蔵庫」なのです。雪の温度は0℃くらいなので庫内は氷点下にはならず、ジャガイモが凍る心配もなく、しかもジャガイモの呼吸熱で雪が解けるので、低温・多湿状態が継続的に保たれるのです。このような貯蔵庫でジャガイモや野菜を貯蔵すると、収穫時点に比べて、かなり甘みを体験することができます。
どうぞ雪室貯蔵のジャガイモをご賞味ください。
以下、「現代農業」2006年12月号に掲載された、北海道農業研究センターの記事を紹介させていただきます。
■雪室貯蔵でじゃがいもの糖度が16倍に!
生食用ジャガイモの貯蔵は、萌芽や減耗を抑えることを目的に2−4℃付近の温度、80−90%以上の湿度で貯蔵するのが望ましいとされています。しかし、この温度域で湿度を高く保つことは、特に大型の貯蔵施設なればなるほど、技術・コストが必要です。この点、雪氷の利用は、消費電力の節減だけでなく、湿度が95%以上に保てるなど湿度コントロールの面からも大変有利です。さらに、冷熱源としての「雪」は温度が0℃なので、庫内が氷点下になりにくく、凍害の危険が少ないことも利点としてあげられます。(ジャガイモは-2℃以下になると凍って凍害を起こす。)
図1は森浦農場の雪室貯蔵と、北海道農業研究センターのプレハブ型恒温室で貯蔵したメークインの糖含量を示したものです。雪室、2℃貯蔵ともに、低温での貯蔵は60日後には糖含量が貯蔵前の約13倍、120日後には約16倍と顕著に増加していることがわかります。
低温貯蔵でジャガイモが甘くなることは、学問的にもよく知られた現象で「低温糖化」と呼ばれています。しかし、その詳細なメカニズムはまだ解明されていません。わかっている部分を簡単に説明しますと、図2はジャガイモ塊茎の細胞ひとつを模式的に示したものです。圃場で育成中、地上部の茎葉で光合成された糖は、塊茎に運ばれデンプンとして蓄えられます。(デンプンはブドウ糖が鎖状に数十万個つながった高分子で、塊茎の細胞内にデンプン粒として十数個存在します。)枯凋期をむかえて収穫したジャガイモでは、糖分はほとんどデンプンとなっており、遊離糖(水溶性の糖の意。ジャガイモではブドウ糖、果糖、ショ糖の3種)は極めて低濃度です。これを低温で貯蔵すると、デンプンのごく一部がブドウ糖に分解されます。その一部は果糖に変換され、その後ブドウ糖と果糖が結合してショ糖となり、ショ糖は液胞と呼ばれる細胞内の小器官に入って、酸性インベルターゼという酵素によって再びブドウ糖と果糖に分解されます。こうして低温貯蔵中にブドウ糖と果糖が増加していきます。
このように、低温貯蔵はジャガイモの糖度を増加させます。雪室貯蔵はこのジャガイモの特性を最大限引き出すだけでなく、高湿度が保たれるため減耗も少なく、1年以上の長期貯蔵も品種によっては可能となります。
図1 低温貯蔵したジャガイモ(メークイン)の糖含量
図2 低温貯蔵によるジャガイモ塊茎細胞内での糖の増加
「現代農業」2006年12月号 p178−p181(11月1日発行)「雪室貯蔵でジャガイモの糖度が16倍に!」より一部抜粋。
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